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2026年、全固体電池はいよいよ「研究段階」を抜け出し、「量産に向けた具体的な計画」の段階に入ってきました。大手電池メーカー各社は2027年前後の量産開始を目標に掲げており、自動車メーカー各社も同じタイミングでのEV投入を計画しています。中国でも2026年後半から材料の量産ラインが稼働し始めました。アノード材料サプライヤーやブラックマスリサイクル事業者にとって、もはや問われているのは「全固体電池が来るかどうか」ではなく、「その変化にどう備えるか」ではないでしょうか。
1. 量産までのロードマップ
① Technology Timeline
全固体電池 量産化ロードマップ
主要プレイヤーのマイルストーン
2023年3月
完了大手電池メーカーが専用パイロットラインを稼働
銀-カーボン系のアノードレス構造を採用し、試作セルの生産を開始しました。
2025年10月
完了実車評価・量産協業が本格化
電池メーカー各社が自動車メーカーとの実車評価を開始し、素材メーカーとの正極材料量産に向けた協業も進み始めています。
2026年Q3〜Q4
対応中中国で「100トン級」生産ラインが集中稼働
取引の単位がキログラムからトンへと切り替わりつつあり、素材調達の実需が一気に本格化しています。
2027年〜
予定各社量産・実証車両を投入
電池メーカー各社の量産開始、自動車メーカー各社のEV投入、そして中国の電池・自動車メーカー各社による実証車両の投入が、業界共通の見通しとなりつつあります。
ダイネンマテリアル作成(2026年7月)|公開情報を基に独自整理
2. アノードレス構造とアノード材料への影響
一部の電池メーカーが採用している「アノードレス」構造は、黒鉛をあらかじめ使うのではなく、充電のたびに集電体の上へリチウム金属を析出させてアノードを形づくる方式です。この方式の量産が広がれば、これまで黒鉛が中心だった需要構造の一部が、高純度のリチウム金属へとシフトしていく可能性があります。
② Anode Comparison
従来型アノード vs アノードレス
| 構造 | 事前形成の黒鉛電極 | 充電時にリチウム金属が析出 |
| 理論容量 | 約372 mAh/g | 約3,860 mAh/g(黒鉛比 約10倍) |
| サプライヤーにとっての意味 | 黒鉛の安定調達が引き続き大きな焦点に | 高純度リチウム金属の供給網づくりが新たな論点に |
3. 市場規模:急成長でも、まだ小さい
③ Market Size
全固体電池市場 vs 関連市場規模
EV向け全固体電池市場
$78.6M → $3.58B
2026年 → 2034年 CAGR 61.2%
EV電池市場全体
$86.5B → $116.8B
2026年 → 2034年 CAGR 3.8%
天然黒鉛負極材市場
$1.87B → $8.69B
2026年 → 2035年 CAGR 18.6%
出典:大手調査機関の市場レポートを基にダイネンマテリアル作成(2026年7月)
全固体電池市場は、EV電池市場全体の0.1%、黒鉛負極材市場のおよそ1/24に過ぎません。今後数年は、依然として黒鉛系アノードが主力であり続けると見られます。
4. リサイクルへの新たな課題
固体電解質やリチウム金属負極は、解体やブラックマス処理の工程で現行セルとは異なる挙動を示すため、既存のプロセスをそのまま転用できるとは限りません。
- 電解質:不燃性である一方、水分や大気との接触には新たな配慮が求められます
- リチウム金属負極:反応性が高いため、前処理工程の見直しが必要になります
- リチウム回収:セラミック系マトリクスからのリチウム回収技術はまだ発展途上にあり、コストが高くなる可能性があります
まとめ
全固体電池はいよいよ量産計画の段階に入りましたが、市場規模で見れば、主役は今なお黒鉛系アノードです。ダイネンマテリアルは今後もこの変化を注視しながら、パートナーの皆様がこの構造転換にしっかりと対応できるよう、備えを進めてまいります。
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