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ブラックマスの直接輸出が現実に?変化する国際動向と当社の取り組み

これまで、リチウムイオン電池から回収されるブラックマス(Black Mass)は、
環境規制の関係で中国へ直接輸出することが難しく、
東南アジアの中継地を経由するケースが一般的でした。

しかし、最近の中国政府の動きにより、今後はブラックマスを中国へ直接輸出できる可能性が出てきました。
これにより、バッテリーリサイクルを取り巻く国際的な流通構造が大きく変わることが期待されています。

中国市場の変化:輸入規制の緩和へ

2025年3月、中国ではリチウムイオン電池由来のブラックマスに関する新たな輸入ルール案が示され、
特定の条件を満たすブラックマスについては「固体廃棄物」として扱わず、輸入が可能になる見込みです。

また、同年7月1日には中国初となるブラックマスの国家標準(GB/T 45203-2024)が施行される予定であり、
品質や成分規定が明確化されることで、貿易の透明性や安定性が高まると予想されます。

これにより、日本国内で回収・処理された高品質なブラックマスを、直接中国市場へ供給できる道が開かれようとしています。

欧州のリサイクル強化と課題

一方、欧州でも2023年に新しい電池規則が導入され、電池材料の回収率向上が求められています。
リチウムに関しては、2027年までに回収率50%、2031年には80%とする厳しい目標が設定されています。

ただし、欧州ではリサイクルインフラの整備が依然として追いついておらず、
エネルギーコストの高さや資金面の課題が指摘されています。
つまり、リサイクル需要は高いものの、供給が追いつかないという状況が続いているのです。

ダイネンマテリアルの取り組み

ダイネンマテリアルでは、こうした国際的な動向をふまえ、より多様な市場に対応できる体制を整えています。

特に、中国への直接輸出が可能になった場合に備え、製品の品質管理や安定供給の強化に取り組んでいます。
また、欧州市場に対しても、現地ニーズに応じた高品質なブラックマスを提供し、
持続可能なサーキュラーエコノミーの実現に貢献してまいります。

おわりに

バッテリーリサイクル業界は、今まさにグローバル規模で大きな変化を迎えています。
今後の規制や市場ニーズの動きに柔軟に対応しながら、ダイネンマテリアルは確かな技術と
信頼性で、国際的な資源循環の中核を担う存在を目指してまいります。